トップへ戻る。
柳 瀬 ダ ム
概 況 :
柳瀬ダムは、銅山川のほぼ中央の四国中央市(旧伊予三島市)金砂町小川山地内に建設(昭和29年完成) されました。 銅山川は、四国の中央部のやや北よりに位置する冠山(標高1,732m)に源を発し、 石鎚山脈笹ヶ峰から分岐した法皇山脈と四国山地の間を東に流れる吉野川の支流です。
新居浜市別子山から柳瀬ダムのある金砂町に入り更に東流を続け、四国中央市新宮町(旧新宮村)を経て 徳島県の三好郡(平成18年3月1日より三好市)山城町で別名四国三郎と呼ばれている吉野川に合流してます。
柳瀬ダムは現在、洪水調整、灌漑、発電、工業用水、水道用水として利用されています。
流域面積170.7km
2
、総貯水容量3,220万m
3
、有効貯水容量2,960万m
3
、 利水容量2,880万m
3
、有効水深は32.5mで、国土交通省直轄管理となっています。
水道用水は、発電放流水を下流より取水し、取水量は日量30,000m
3
です。
ダムサイトの地質は、三波川帯結晶片岩(石墨片岩)が主で、石英が脈状に入っていて、流域は、鉄、マンガンが多い地質です。
集水域には、住宅が約400戸散在しており、産業は農林業が主で環境には恵まれていますが、 上流域には特に別子・佐々連鉱山の廃鉱があり、将来とも十分監視する必要があります。
柳瀬ダム(翠波橋より)
柳瀬ダム(平野橋より)
柳瀬ダム採水地点
柳瀬ダム:
1:翠波橋
翠波橋全項目試験結果表
柳瀬ダム水深別水質試験結果表
柳瀬ダム生物試験成績表
柳瀬ダム管理目標設定項目試験結果表
柳瀬ダム貯水の水質概況
(1) 水質
平成19年度の柳瀬ダム水位は平成19年1月以降の渇水で7月中旬ころまで水位が低下しました。
その後、7月の台風4号、5号、8月の9号、9月の11号等により水位が回復したものの、秋以降再び渇水に見舞われ、 年度末の3月中旬まで水位は低下し続けました。
例年、夏季に発生する成層ですが、9月に発生し、水温・pH値・溶存酸素の差が表層と底層の間で発生しました。
更に下層に低酸素状態からの鉄・マンガン・アンモニア態窒素等の溶出がありました。
ここ数年、渇水が頻繁に発生し、渇水期には鉄・マンガン・アンモニア態窒素の底泥や護岸からの溶出により増加しました。
濁度については、19年度には渇水期及び台風4号の降雨時に上昇したものの、低濁度でした。
全窒素・全リン濃度は年間を通じて大きな変動はありませんでしたが、 散発している淡水赤潮を考えると注意が必要と思われます。
なお、上流の富郷ダムによる水の滞留時間の大幅な増大と流入水温の上昇に伴なう水質の悪化が 考えられるので、今後とも注意・監視が必要と思われます。
(2) プランクトン
ダム貯水のプランクトンは主に珪藻類、渦鞭藻類、鞭毛虫類、袋形・節足動物です。
今年度、生物数は夏季に多く見られたものの、年間を通じて多くはありませんでした。
優先種は珪藻類の
Synedra・Asterionella
及び鞭毛虫類でした。
近年、渦鞭藻類の
Peridinium
等による淡水赤潮が上流の富郷ダム、下流の新宮ダム共々散発的に発生していますが、 今後とも十分な経過観察が必要と思われます。
流入河川:
2:小川橋
小川橋全項目試験結果表
3:長瀬橋:
長瀬橋全項目試験結果表