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「持続可能な地域の未来」のために
ある総合病院の病院長さんが交代して、医療グループ全体を統括する総院長になった。私は彼女が一人の人間として、ドクターとして、また福祉関係も入れた後継者として苦労と努力をされてきたのをよく知っている。医療の世界も患者サイドから見れば、すべて満足なんてことは難しい。グループの総帥として、病院の広報誌でのあいさつの中で述べられている文章を紹介して、市民のみなさんも一緒に考えていただければありがたいと思います。
…これからの社会は、老年人口・生産年齢人口が共に減少する2040年に向かって、いかに自分らしさを維持しながら長生きするかが重要になってきます。これを実現するためには、私達医療・介護従事者が、病気の治癒だけにフォーカスし入院期間中の支援のみを行う「治す治療」から、入院前や退院後の生活まで目を向け、元の生活に早期に戻れるための「治し支える医療」へと転換することが必須となります。また、85歳以上の高齢者の多くは認知症を発症しており、このような病気を「抱えて生きること」への支援も必要です。これらの課題は、決して一つの医療機関だけで解決出来るものではありません。地域の医療機関・福祉施設・行政・患者・家族が垣根なく情報共有を行い、生活の視点を持った医療、あるいは医療・介護の視点を持った生活支援を行うことが非常に重要です。こうした地域内多職種連携によって、健康寿命の伸長や、シニア世代の活躍による生きがい創出、地域の生産性の向上といった「持続可能な地域の未来」へと道が開けるものと考えます。…
これは学者や評論家ではなく、第一線で医療、福祉、介護を実践されている人間の言葉です。
なお、新しい病院長さんには、地元大学の医学部を退職された土居町出身のドクターが就任されています。公立学校共済組合四国中央病院の移転問題も、三島医療センターを中心に具体的な構想ができつつあります。
令和元年6月1日
四国中央市長 篠原 実