本文

10月30日木曜日、愛媛大学紙産業イノベーションセンター(妻鳥町)が最新の活動や研究成果を報告するシンポジウムを開催しました。
会場となったホテルグランフォーレ(三島朝日)には、県内外の研究機関や製紙関連企業から約180人が集まり、紙産業の現在地とこれからについて真剣に耳を傾けました。

大西市長は祝辞で、「産学官の連携をこれまで以上に強化し、紙産業の更なる発展を目指した取り組みを進めていきます」と抱負を語りました。

基調講演では経済産業省イノベーション・環境局総務課の飯村亜紀子調整官が「未成熟な技術の段階から積極的にビジネス投資を行う時代です。現行制度の普及や新たな仕組みの導入を通じて、若い世代や学生が活躍できる環境を整備していくことが重要です」と述べ、次世代の人材育成の必要性を強調しました。

また、愛媛大学と共同で研究を進める川之江造機株式会社の坂下聖和氏による講演では、透明CNF(セルロースナノファイバー)の脱水技術の成果が報告されました。
坂下氏は「これまで困難とされていた透明CNFの脱水技術が、産学連携の取り組みを通じて新たな装置を開発することで実現しました。今後も技術の向上を図り、紙産業の成長に寄与していきます」と意気込みを語りました。
シンポジウムの締めくくりとして、紙産業イノベーションセンターの内村浩美センター長が講演を行いました。

内村センター長は「紙の生産量は電子媒体の普及により減少していますが、私たちは紙製品の可能性を広げる新たな技術開発への挑戦を続けています。紙そのものの価値を活用するだけでなく、製造技術の応用による新たな形のイノベーションを目指しています。国や自治体、企業の支援を受けながら、地域社会の活性化にも貢献していきたい」と、その展望を示しました。