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十川製紙株式会社
大正13年に手漉き和紙の製造事業を始め、昭和35年の株式設立と共に製造工程の機械化を図る。現在の3代目代表取締役就任時より、書道用紙を卸業者から逆仕入れする販売事業にも着手。書道に親しむ多彩な人々のニーズに応えられるよう、取り扱う商品は数百種にも渡る。書道経験約20年の経歴を持つ専務取締役・十川裕明氏ほか書き手の視点に造詣の深い職員も複数在籍。ユーザーに寄り添った助言・提案が可能な点も大きな強みだ。
自社商品の製造のみならず 他社製品の販売事業も展開 全国のユーザーの声を拾って
通常書道用紙がユーザーの元に届くまでには、製造会社→卸業者→小売店の流通経路を経るのが一般的だが、社の最たる特徴はこの製造会社と小売店を兼任する点にある。自社製造の用紙から他社より仕入れた和紙まで、多岐に渡る商品を自社の通販サイトで全国どこからでも購入可能。学童用半紙から展示作品向けの高級和紙、創意工夫のある作品を作れる色加工用紙とラインナップも様々だ。
理想の墨の滲み具合を持つ紙に必ず出会える
自社での和紙製造においても、ユーザーと直接繋がる小売店としての強みは大いに生かされる。一口に書道に親しむ人と言えど、墨の滲み具合の好みにはそれぞれ地域差があり、理想とされる滲みは実は地域によって全く異なるのだそう。それらの意見を参考にし、滲みの度合いを細かく調整した商品ラインナップをグラデーションのように製造展開。自社通販システムを持つ会社ならではの工夫だ。
おすすめ書道用紙名:野菊
学童向けの書道半紙で、習字・毛筆に不慣れな小さい子でも扱いやすいのが大きなメリット。原料に長い繊維を多く含むため繊維間の空気の穴が多く、墨がたっぷり入る造りとなっている。厚みがしっかりあるため破れ辛く下写りもしにくい。書道を始める際に最初に手に取る用紙としてもおすすめとのこと。
紙の書き味の違いで書道を楽しむ、という視点を
専務取締役・十川裕明さん
紙の町、書道の町として知られる四国中央市ですが、私自身も学生時代は書道部に所属し、大学でも書道に関する研究を行う学科へと進学しました。長年書き手としても書道を楽しんでいますが、今まさに書道に親しむ皆さんにはぜひ、紙の書き味の違いを楽しむ面白さも知ってもらいたいですね。書道の世界では長年同じ用紙を使う方も多いですが、同じ書体や書風でも、紙を変えると作品の雰囲気ががらりと変わります。「いつもと違う作風に挑戦したい」「作品を作る際にちょっと気分を変えたい」という方は、ぜひ様々な紙での作品作りにチャレンジしてみてください。紙の書き味の違いを実感すると、また新たな書道の楽しみ方が見つけられると思います。
会社:十川製紙株式会社
住所:〒799-0431 愛媛県四国中央市寒川町2356
Tel:0896-25-1731
Fax:0896-25-1726