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市長就任後、約10か月が経過し、市民の皆さまのご信任をいただいて市政を担う責任の重さを改めて胸に刻んでおります。
私の政策の最優先事項である「子どもたちの心に投資する」をでき得ることから具現化し、子どもたちの未来のために職務を全うすべく、新年度も日々職務に精励、まい進する所存でございます。
さて、本市を取り巻く状況として、コロナ禍以降、暮らしや働き方に対する多様な価値観は、さらに劇的に変化しました。デジタル化・ICT化の加速や環境意識の高まり、そして何よりも深刻化する少子高齢化・人口減少の荒波が全国の地方都市に押し寄せており、本市の基幹産業や地域社会にも、かつてない変革を迫っています。
さらに、頻発する自然災害の脅威や物価高騰など、市民生活に影響を及ぼす行政課題は枚挙に暇がなく、子育て支援や災害対策など数々のニーズへの対応も含め、本市を取り巻く状況は厳しさを増すばかりです。
このような背景の下、複雑・多様化する行政課題に迅速に対応し、将来へ向けて賢く縮む自治体経営に備えることを目的とした組織改編を行います。
「機動性・専門性の高い組織機構」、「官民共創・市民参画による行政運営」、「透明性・公平性を重視する財政運営」という3つの基軸を中心に据え、より効率的で効果的な自治体経営のための市役所改革を図り、将来にわたって市民の皆さまが安心して住み続けられるまちづくりを進めます。
本市は、先人が築き上げてこられた「日本一の紙のまち」としての誇り高き歴史や伝統と、法皇の山並みに育まれた森林や豊かな水の恵み、ダムや港湾とともに発展してきた紙産業クラスターと研究・教育機関が受け継ぐ技術力、そして四国8の字ルートの高速道路網の結節点という地の利など、四国随一のポテンシャルを備えています。そのような強みを最大限に活かし、四国のまんなか「なか四国圏」の有機的な連携を醸成しながら、「日本一あきらめの悪い消滅可能性自治体」として「市民の皆さまと共に、子どもたちと共に、明るい未来を築いていく」ことを決意しております。
歴代2度の内閣総理大臣を務めた早稲田大学の創立者・大隈重信侯は、「道が窮まったかのようで他に道があるのは世の常である。時のあるかぎり、人のあるかぎり、道が窮まるという理由はないのである。」という名言を残されております。絶望的な状況でもあきらめず、常に新しい可能性を探求することの重要性を説き、「困難に立ち向かう勇気、あきらめない心、そして周囲との協力こそが道を拓くための鍵となる」というこの名言を胸に携え、私の座右の銘である「逆風満帆」の精神で、この難局を乗り切り、新たな道を切り拓いていきたいと考えております。
それでは、令和8年度の主要施策の概要について、四国中央市総合計画の6つの施策の柱に沿って、順次ご説明申し上げます。
まず、1つ目の柱は「環境資源を未来へ残すまちづくり」です。
「地球にやさしいまちづくり」としては、地球規模の課題である地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出量ゼロを目指す「脱炭素社会」と資源を循環させる「循環型社会」が相互に補完し合い、持続可能な社会を目指すことが重要です。
脱炭素社会の実現に向け、本市では、「地球温暖化対策実行計画」に基づき、各主体が様々な事業に取り組む中、新年度から「脱炭素推進室」を設置し、再生可能エネルギーへの転換を軸としたエネルギーの地産地消に取り組みます。
一方、循環型社会の実現に向けては、プラスチックのリサイクル対策に着手するとともに、「トンネルコンポスト方式」による次期可燃ごみ処理施設と新たなリサイクル施設を併設する「ごみ処理施設の再編整備」においては、現在のクリーンセンター用地を拡張して拠点となる施設を建設する方針を決定します。
今後は、計画的に両施設の整備を推進しつつ、環境行政を取り巻く社会情勢の変化に適応する計画として「第三次四国中央市環境基本計画」を策定するなど、「地球にやさしいまちづくり」を目指します。
次に、「水道料金の見直し」についてですが、人口減少等による料金収入の減少、施設老朽化による安心・安全のための更新費用の増大、物価上昇による維持管理費の増加などに伴い、水道事業を取り巻く環境は厳しさを増すばかりです。
本市もその例外ではなく、経営状況は今後一層厳しくなることが予想され、水道施設の耐震化や老朽化に伴う更新を着実に推進し、安心・安全な水の安定供給を図るためにも、適正な水道料金水準への見直しを行い、経営基盤を強化してまいります。
また、水道は、市民生活や社会経済活動に必要不可欠なライフラインであり、自然災害リスクが増大する中、能登半島地震を受けて、地域の防災対策と水道施設の強靭化の重要性が再認識されたところです。
特に、老朽化する施設の適切な更新、避難所などの重要施設に係る管路の耐震化は喫緊の課題でありますことから、本市では、「四国中央市水道事業ビジョン」に基づき、地震に強い水道施設を目指す管路更新と耐震化を計画的に実施してまいります。
次に、2つ目の柱は「活力と魅力を創るまちづくり」です。
まず、「地域産業の支援・強化」ですが、本市の基幹産業である紙産業は、各企業の不断の技術開発と経営努力に支えられ、「パルプ・紙・紙加工品製造業」の製造品出荷額が20年連続で全国1位であります。
一方で、円安や原燃料費の高騰、深刻化する人手不足など、企業経営を取り巻く情勢は極めて厳しい局面が続いております。
地場産業が将来へ向けて発展を続けるには、現状の強みに一層の磨きをかけるとともに、紙を超える新たな可能性や価値を創造できる環境づくりが求められており、市場の変化を成長の機会へと転じられるよう、効果的な支援策を講じてまいります。
また、次代を担う若者が誇りを持って働ける環境づくりの一環として、愛媛大学が整備する「しこちゅ~コモンズ」を拠点に産学官金の連携を一層深め、企業が抱える技術的課題の解決や共同研究の推進を図ることで、総合的なイノベーション力を高め、経営基盤の強靭化・安定化に資することができるよう支援してまいります。
次に、「企業誘致施策」としては、地場産業との親和性が高く、地域の強みを活かせる業種や若者の職業選択の幅を広げるような企業を中心とした企業誘致戦略を立て、「四国はひとつ」の視点で「なか四国圏」の関係人口増大を意識しながら、積極的な営業活動を行ってまいります。
企業誘致においては、企業ニーズに合致する助成制度の検討や、産業用地・遊休施設の現状や市場の動向把握にも努め、企業が進出・定着しやすい環境整備に努めます。子どもたちが将来地元に戻り、生きがいをもって働くことのできる環境づくりに力を注ぎ、地域創生にもつなげたいと思います。
次に、3つ目の柱は「にきぎわいと定住を支えるまちづくり」です。
まず、「災害に負けないまちづくり」についてですが、政府が昨年9月に南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率を「60%~90%程度」と見直したことを受けて、県は本年2月に新たな地震被害想定調査の結果を公表しました。本市の被害想定は大幅に下方修正され、最大死者数が556人で全壊・滅失建物数が8,348棟とされたものの、最大震度7の地震による甚大な被害が想定されています。そのような中、今年1月6日に山陰地方で最大震度5強を観測した地震では、本市も震度4を観測しており、大規模災害への備えは予断を許さないものと認識しております。
これらを踏まえ、新年度から「危機管理部」を創設し、消防本部との連携強化による一層の防災減災対策に取り組みます。
また「地域振興部」に「まちおこし課・コミュニティ再生室」を新設し、公民館や自治会を核とした地域活性化を後押ししますが、地域コミュニティの2つの柱は「防災減災」と「地域福祉」であり、自主防災組織の充実・強化と合わせ、「共助」「互助」の仕組みを強化したいと考えています。
次に、「重要港湾三島川之江港の整備」ですが、三島川之江港は、本市の製紙関連産業などの海上輸送機能を担い、地理的優位性を備えた広域的な四国の拠点港湾として、四国一のコンテナ取扱量を誇るなど、取扱貨物量は堅調に推移しています。
一方で、物流業界の労働力不足への対応や効率的な荷役体制の構築、老朽化が進む港湾施設の更新、さらには大規模災害に備えた耐震強化岸壁の整備などが急務となっております。今後も、国土強靭化の観点から、大規模災害発生時に瀬戸内側の中央部から四国の復旧・復興を支える拠点港となれるよう国への要望活動に努めるとともに、地元産業の発展を支える物流拠点、サプライチェーンの要衝としての機能強化に向けた三島川之江港の整備促進に力を注ぎます。
次に、「城山下臨海土地造成事業の推進」ですが、この事業は、沿岸部の水防対策と港湾計画の早期実現を求める地元要望を受けて開始したものであり、防災減災対策という目的に加え、住工混在解消や流通関連用地の確保などを目的とした事業です。
工事に関しては、旧漁港内の埋立て工事、護岸標準部の施工などが計画どおりに進んでおり、令和8年度は、海上輸送による土砂搬入のために開放しておりました護岸開口部の閉め切り工事を行います。引き続き、県や関係機関等との連携を図りつつ、令和11年の完成に向けて取り組んでまいります。
次に、「国道11号川之江三島バイパスの整備促進」についてですが、この道路は、渋滞緩和、交通事故減少、高速道路へのアクセス性向上に加え、「日本一の紙のまち」の基幹産業や地域経済の成長を支える北四国の幹線道路として、多くの整備効果が期待できる大変重要な路線です。
また、大規模災害発生時には、緊急輸送道路や主要道路の代替機能としての役割を果たすことから、災害に強いまちづくりの観点からも早期完成が急務とされています。今後も引き続き、県や国との連携を強化して用地取得を加速化させ、計画区間の早期完成を目指します。
次に、「新法皇トンネル建設の事業化促進」についてですが、国道319号の法皇トンネルは、本市の市街地と嶺南地区や新居浜市の別子山地域を結ぶ重要な役割を担っております。地域住民の日常生活を支える機能はもとより、嶺南地区の豊富な観光資源の活用や本市の基幹産業を支える3つの多目的ダムの安定的な維持管理には欠かせないものです。供用開始から65年を超えて老朽化が進んでおり、現在の幅員4m、車両制限高3.5mの狭あいな規格から、2車線で大型車両が通行できる規格の新法皇トンネルの整備が長年の懸案となっています。
また、防災・減災の観点からも新法皇トンネルの早期整備を喫緊の課題として、その事業主体である県や国に対し、粘り強く要望活動を継続実施してまいります。
次に、「東予東部消防指令センター整備事業」の方針でございます。本市と新居浜市、西条市の3市で整備する愛媛東予東部消防指令センターは、令和6年度に3市による消防指令事務協議会を設置し、その整備に向けた協議を進めているところです。令和7年度は庁舎及び消防指令システム等の実施設計を行い、令和8年度には、建設事業に着手する予定です。
119番通報を受信する消防指令センターを3市が共同で整備することにより、消防本部間の連携強化、人員配置や施設の効率的な運用などの効果が期待できるものと考えており、消防力の充実・強化による市民生活の安心・安全の確保を目指します。
次に、4つ目の柱は「生涯安心して暮らせるまちづくり」です。
まず、「子育て環境の充実」についてですが、市長就任直後から試験的に、庁舎内の空きスペースを活用した「ほっこりんルーム」を開設したほか、7~9月の日曜日に土居東こども園の園庭や遊戯室を開放して多くのご利用をいただき、利用者アンケートでもおおむね好意的なご意見を賜りました。
市内の子育て支援施設は日曜日が休みとなっており、「休日に子供と過ごせる場所がほしい」という多くのご意見を受け、みしま児童センターなど市内3か所において、年間を通して日曜日にも開館する予定です。天候や気温に関係なく、親子でゆったりと過ごせる場所を提供できるものと思います。
一方で、令和6年度から整備を検討してまいりました「キッズプレイミュージアム(仮称)」につきましては、昨年末から実施した意見公募「タウンコメント」に、多くの貴重なご意見を賜りました。事業コンセプトについては肯定的な意見が多かった一方で、新たに施設を建てることに対する懸念なども多く寄せられました。昨今の本市を取り巻く状況を鑑みますと、この事業の検討開始後も物価高騰は続き、地域の産業などに関してのネガティブな報道も重なるなど、将来的な財政運営に対する不安要素が多方面から指摘されております。
このような状況下において、多額の建設費を伴う建物を新設するという計画案の事業内容について、ランニングコスト等も含めて慎重に検討した結果、今回の施設整備基本計画を、いったん立ち止まって見直すべきとの判断に至ったものです。
しかしながらも、子どもたちの生きる力を伸ばすために、五感をフル回転できるような遊び場を設けるという事業理念については理解を得られているものと考えており、今後は既存施設の活用など建物の新設によらない手法も含めて、事業コンセプトの具現化を模索していきたいと考えております。
次に、「保育・幼児教育施設の再編整備」ですが、保育や幼児教育に係る状況は、想定を上回るスピードで進行する少子化により、今後は施設の供給過剰が予測され、民間施設の機能を有効に活用し、ニーズに合わせて利用定員を調整するなど、官民連携による体制構築が求められています。
公立の施設としては、空き待ち児童や施設ごとの集団規模の不均衡を解消するために施設を再編・統合し、土居西部地域と三島西部地域に新たな認定こども園を整備いたします。施設再編に当たっては、園の規模や地域の未就学人口の推移を勘案しつつ、安全性の確保や利便性を考慮し、保護者や地域住民の方々への丁寧な説明を行いながら進めてまいります。
次に、「地域医療について」ですが、本市の地域医療提供体制は、県内6つの医療圏の中で医療従事者数が最も少ない状況にあり、急速に高齢化が進む中で、持続可能な医療提供体制の構築は喫緊の課題です。
新年度に取り組む医療従事者の確保及び人口減少対策としては、本市の医療機関で臨床研修を受けるために市外から移住した研修医に対して、移住費用や自己研さんする環境整備などの側面的支援を行うほか、市内の医療専門学校が実施する学生確保を目的とした事業に対して補助金を交付します。
次に、「認知症施策の推進」です。本市においても、急速に高齢化率は上昇し、認知症の人も増加しています。県内初の本人ミーティングの実施や認知症カフェの設置、認知症サポーターの養成など、本市では認知症施策を積極的に推進していますが、新年度において認知症施策推進計画を策定し、更なる充実と発展を図りつつ、地域や家庭において誰もが役割を持ち、希望を持って暮らし続けられる共生社会の実現に向けた施策の推進を目指します。
次に、「土居福祉センターの再編」です。老朽化した土居福祉センターについては、四国中央市公共施設等総合管理計画に基づき、施設や機能の再編を行います。
具体的には、土居福祉センター内にある社会福祉協議会土居支所、シルバー人材センター土居連絡所及び地域活動支援センターしゃぼん玉の3つの機能を、令和9年3月末までに土居窓口センターがある旧庁舎内に移転し、貸館等の一部機能は、土居こども館に移転することとして、必要な施設改修等を行います。
次に、「地域共生社会の推進」のために、福祉部門の最上位計画である「第四次四国中央市地域福祉計画」を策定します。令和7年度は、市民アンケートと高校生対象のワークショップを実施し、若者の意見も伺いました。新年度において、これらの声を反映し、令和9年度からの5年間を計画期間とする地域福祉計画を取りまとめます。
また、令和9年3月に終了する「四国中央市とりのこさない支援体制整備事業実施計画」は、地域福祉計画と一体化して策定します。
次に、「地域生活支援拠点の整備」です。これは、障がい者の重度化・高齢化・親なき後等を見据え、緊急時の対応や入所施設・病院等からの地域移行を推進するための体制整備や生活の場所を確保することで、関係機関が連携して障がい者の地域生活を社会全体で支える体制を構築するものです。
本市の「第7期障がい福祉計画及び第3期障がい児福祉計画」に基づき、障がい者等の地域生活支援の充実を図り、効果的な支援体制及び緊急時の連絡体制などを構築するため、令和9年3月末までに、地域生活支援拠点を整えます。
次に、5つ目の柱は「未来を拓く人を育むまちづくり」です。
まず、「学校給食費負担軽減事業」については、子育て世帯の負担軽減を図るために、令和5年度から実施している学校給食費無償化事業を、小中学校の給食費を改定した上で、令和8年度も継続実施します。
小学校については、国及び県の給食費負担軽減交付金(仮称)を活用しますが、国の基準額を超える部分については、持続可能な制度とするために保護者負担を原則として検討を行い、令和8年度末までに方針を決定します。それまでの間は、従来の本市独自の無償化を継続する形で、基準額超過分は市の一般財源から支出します。
一方、中学校については、国の制度の動向を注視しながらも、当面は本市独自の無償化事業を継続します。
いよいよ国においても学校給食費の負担軽減の取組が始まりますが、新年度は小学校に限った制度である上に、基準額を超える部分の負担が生じることから、本市においては、国の制度による給食の提供を財源も含めて持続可能なものとするためにも、これまでの本市独自の無償化事業を見直す必要があると考えております。
令和8年度においても、国からの交付金は受けられるものの、小・中学校合わせて約3億円と多額の一般財源を投入することとなります。引き続き、独自の無償化により栄養バランスの取れた安全安心な給食の提供に努めてまいりますが、今後は一定の保護者負担についてもご理解を賜りますようお願い申し上げます。
次に、「学校規模の最適化」についてですが、少子化の進行は加速度を増しており、子どもたちに最適な教育環境を保障することは、市政における最重要課題です。
この度「学校規模最適化検討委員会」を組織し、本市における小中学校の適正規模及び適正配置に関する検討を、令和8年度から本格的に開始します。
学校は地域社会の核としての役割を担う一方で、その規模が過小化してしまうと集団教育の制約や、社会性の育成に向けた課題も顕在化してしまいます。子どもたちが多様な価値観に触れ、互いに切磋琢磨できる教育環境を維持・向上させることは、見過ごしてはならない重大な要素であり、教育環境の最適化に向けた早期の対策が必要であると考えます。
保護者や市民の皆さまとの真摯な対話を通じて、広範な合意形成が図られるように配慮しつつ、時代の要請と流れを的確に捉え、教育的観点のみならず、通学環境の安全性、さらには地域コミュニティの維持・発展といった多角的な視点から、将来の地域社会の在り方や教育環境の変革を見据えた議論を重ねてまいります。
次に、「高校の在り方について」です。少子化に伴う生徒数の減少に加え、市外高校への進学者の増加により、市内3つの高校の生徒数は減少の一途をたどっておりますが、地域創生の観点からも3校の存続は必須であるという強い認識があります。
中でも土居高校は、県立学校再編整備基準に2年連続該当しており、令和8年度の入学生徒数が80名を下回った場合、令和10年度以降は募集停止となることが危惧されます。今後は、県教育委員会の主導により「愛媛県県立学校振興計画」の後期計画策定に向けた地域協議会が設置される予定となっており、土居高校の存続に向けて、産官学が連携して高校の特色化・個性化を提案するなど、市としても関係者とともに知恵を絞り、必要な支援に努めてまいります。
最後に、6つ目の柱は「ともに築く持続可能なまちづくり」です。
まず、「ふるさと納税の推進」についてですが、年々実績を伸ばしてきた本市のふるさと納税推進策としては、これまで、新たな返礼品の開発や返礼品の少量化、定期便の導入など、地域資源を活用した多彩な返礼品の充実に取り組んでまいりました。その結果、全国の皆さまから多くのご支持をいただき、寄附額の実績は過去最高額を更新し、20億円に迫る見込みです。
令和8年度においては、ふるさと納税制度の更なる厳格化による寄附金額への影響が懸念されますが、新規ポータルサイトの導入やクラウドファンディングの展開など、新たな取組を積極的に推進し、寄附金収入の増加を目指します。
次に、「シティプロモーションの推進」です。本市では、市外に向けたアウタープロモーションとして、ふるさと納税返礼品に係る特産品のPRや、国際文具・紙製品展のイベント等を通じ、「日本一の紙のまち」ブランドによるプロモーション活動を推進し、認知度向上を図ってまいりました。
また、市内向けのインナープロモーションでは、官民連携及び若年層のシビックプライド醸成に重点を置き、現在は、高校生等の若年層をターゲットとした「18っ祭!PROJECT」など、次世代のプロモーション人材の育成にも努めております。
今後は、若年層と継続的につながる手段としてSNS等を活用し、庁内の統一的かつ戦略的な情報発信体制の強化を図るとともに、民間のシティプロモーション活動を後押しする補助制度を創設するなど、官民連携による魅力発信やにぎわい創出環境の構築を図ります。
次に、「DXの推進」についてですが、自治体においては、多様化する市民サービスへの対応や業務効率化により職員の時間を捻出し、「人」にしかできない市民とのコミュニケーションの充実に充てるためにも、DXの推進は急務で必要不可欠なものとなっております。
今後は、自治体情報システムの標準化・共通化に伴うガバメントクラウドへの移行に区切りをつけ、次のステップである市民との接点の多様化・充実化への対応のほか、職員の時間を生み出す業務フローの改善を目指す「フロントヤード改革」などについても検討を進めます。
次に、「にぎわいの創出について」ですが、市民一人ひとりが主役となるまちづくりを目指し、ボランティア組織や市民活動団体との連携、そして市民の皆さまの創意工夫を活かした活動を引き出し、支援する取組に力を注ぎます。
人口減少や少子高齢化により、地域コミュニティの担い手不足や住民同士の関わりの希薄化が深刻な課題となっております。これらに対応するため、公民館を拠点とした「地区コミュニティ活性化事業」を市内全地区で推進できる体制づくりを支援し、地域住民が主体となって地域課題を解決できるよう、地域力の強化を図ります。
このほか、本市の観光行政の指針となる観光振興計画の策定に取り組みます。
市内の観光資源について、幅広く多角的な視点で調査を進め、本市が誇る豊かな自然環境である海・山・川、さらには歴史文化や食文化などにおいて、強みとなる資源を重点的に洗い出し、活用を図ります。
近年注目されている低山を中心とした山岳観光については、登山環境の整備やイベントの実施などにより、交流人口、関係人口の拡大に努めてまいります。
次に、「人口減少・少子化対策」についてです。令和3年度に設置した「人口減少・少子化対策プロジェクト会議」の提案により、これまでに29の事業が実施されました。引き続き、プロジェクト会議における協議や効果の検証を行いながら、より効果的な事業を展開してまいります。
さらに、愛媛県の「えひめ人口減少対策総合交付金」を活用し、令和8年度は9事業を実施したいと考えております。
また、移住定住施策においては、市内企業と連携したUIJターンの促進に重点的に取り組み、若者や若い世帯の移住定住を促進したいと考えています。
以上が、令和8年度の重要施策と主な取り組みですが、これらの実現を目指して編成いたしました当初予算は、一般会計当初予算額442億3,400万円と、特別会計が256億3,500万円の総額698億6,900万円で、前年度との比較では一般会計が3.4%の増で、本市発足後、最大規模の予算編成となり、特別会計では3.4%の減となっております。
物価高騰や紙需要の減少などにより、本市の基幹産業を取り巻く環境変化は著しく、先行きは極めて不透明でありますが、新年度も引き続き、「市政善進」をスローガンに、晴れやかな四国中央市の未来を見据えた新たな挑戦により「紙業(かみわざ)を超える躍進」の年度、「従来の産業構造からの超越的な脱却への歩みを始める年」と位置付け、社会経済状況の変化への対応、GX、DX等によって新時代への適応に努めながら、本市が目指す都市像である『四国のまんなか人がまんなか ~支えあい 未来へつなぐ 魅力都市~』の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
以上、新年度の施政方針を述べさせていただきましたが、今も私たちが住むこの地球上で戦争が行われているという残念な状況の中、私たちが目指すのは、このまちに生まれ、このまちで育つ子どもたちが、おおらかに夢を抱き、現役世代が生き生きと働き、高齢者の皆さまが安心して暮らせる、「一人ひとりに居場所と役割がある社会の実現」です。
市政の課題は多岐にわたり、一朝一夕に解決できるものばかりではありませんが、「紙のまち」の生業(なりわい)に情熱を注ぎながら技術力に磨きをかけ、不屈の精神で発展を遂げてきた本市の歴史が証明しているように、市民や地域団体、企業や研究機関、そして行政と市議会が手を取り合い、知恵を出し合うことで、いかなる困難も乗り越えていけると確信しております。
「10年後、20年後の四国中央市が、今よりもっと誇れるまちであるために」
私は、粉骨砕身の思いで市民の皆さまの負託に応えるべく、健全で善良な市政運営に誠心誠意努めてまいる所存であります。
議員各位、並びに市民の皆さまにおかれましては、なお一層のご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
四国中央市長 大西 賢治