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丸石製紙株式会社
昭和27年に会社を設立。和紙製造が分業制の時代には原料の採取・加工・販売業務を主に担っており、時代変遷の中で徐々に紙の製造業へと業態をシフトチェンジ。現在は書道用紙や障子紙などの和紙製品を製造。また時代潮流に先んじて平成13年に製造を始めたふせん紙も社の看板商品のひとつとなる。自社商品や他社の仕入商品を取り扱う通販サイト「かみ処Maruishi」も時代に先駆けて運用を開始。長年運営を続けている。
地域一体で製紙業に取り組む 古き良き当時の精神性を 柔軟に現代へと繋いで
伝統的な和紙製造を続ける企業・工房に比べ歴史こそ浅いものの、流水のように時代環境へ柔軟に適応する運営方針が社の大きな強みだ。紙原料のパルプ製造・販売業から製紙業への転換や新商品開発、時代を先読みした通販サイトの設立からもその一端が垣間見えるだろう。時代が変われば人も地域も変わる。常に地域と共生し、この地に暮らす人々へ寄り添う姿勢がその柔軟性を生み出している。
書道に親しむ大勢が触れる「日常」の和紙
パルプ紙と模造紙両方の製造を手掛けるが、メイン製品は学童向けの書道用紙となる。滲みが少なく表面がなめらかで、初心者でも書きやすい質感が特徴。一部製品は全国の量販店のPb商品にも用いられている。カスタマーの中には書道練習用としてのみならず、日々の生活の些細なシーンで製品を工夫して活用する人もいる様子。紙質や価格帯など、多彩な面で日常使いのできる紙を作っている。
おすすめ書道半紙:鳩半紙
フレッシュパルプ、古紙パルプなどを原料とする書道用紙。梅や桂といった商品銘柄を多数展開しており、それぞれ練習用・清書用に活用できる厚み違いのものや、個人購入用・書道教室卸用といった枚数違いのものなど。多様なニーズ・シーンに応じたバラエティ豊かなラインナップも魅力の看板商品だ。
書の「道」に宿る日本の精神性、その魅力を世界へ
営業・石村聡美さん
墨を使って筆で字を書く書の文化そのものは、古くは中国から日本に伝わってきたものでした。しかしこれを「書道」として立派な芸術の一分野に昇華させた点は、日本が世界に誇れる文化だと私は考えています。令和6年1月には、ユネスコの無形文化遺産へ書道を登録する提案を行うことも文化庁で決定しました。着物や忍者、侍のように、書道が日本のイメージのひとつとなる日もいつか来るかもしれません。書道は書いて字の如く、書の「道」。字を書く一瞬に生まれる緊張感や集中力には、確かにその人自身の精神性が宿ります。時代はどんどんデジタル化が進みますが、書道のように手書きで文字を残す文化は、これからも大事にしていきたいですね。
会社:丸石製紙株式会社
住所:〒799-0121 愛媛県四国中央市上分町457
Tel:0896-58-3016
Fax:0896-58-3750